月末になると積み上がった領収書を一枚一枚入力する——この作業に毎月何時間費やしているでしょうか。中小企業では経理専任担当者がいないことも多く、営業や管理職が自分で入力しているケースも珍しくありません。
スマートフォンのカメラとAIを組み合わせることで、この作業を劇的に楽にできます。
経費精算業務の現状課題
経費精算で時間がかかる主な要因は次の3つです。
- 領収書の手入力:日付・金額・内容・支払先を一つひとつ入力する
- 科目の判断:交際費・旅費・消耗品費など、科目の振り分けに迷う
- 申請書の作成:エクセルやシステムへの転記が二重作業になっている
これらすべてにAIが介入できます。
スマホOCRアプリで領収書を即データ化
領収書の手入力を最初に解消するのが、OCR(光学文字認識)機能付きのアプリです。
おすすめOCRアプリ(経費精算向け)
- freee(フリー):スマホで撮影するだけで日付・金額・店名を自動認識。そのまま経費申請に連携できる。月額2,380円〜
- マネーフォワードクラウド経費:領収書スキャンからワークフロー承認まで一気通貫。従業員数が多い企業向け。
- Staple(ステイプル):無料プランあり。チームでの共有・承認フローが使いやすい。
- CamScanner + ChatGPT連携:スキャンしたPDF・画像をChatGPTに読み込ませて内容を抽出する方法(後述)
撮影の精度を上げるコツ
- 明るい場所で、領収書を平らに置いてから撮る
- 用紙が曲がっている場合はガラスの下に置くとフラットに撮れる
- 手書き領収書はOCR精度が下がるため、内容確認を忘れずに
ChatGPTを使った経費整理の方法
OCRアプリを導入しない場合でも、スキャン画像やテキスト化した内容をChatGPTに渡すことで経費整理ができます。
複数領収書の一括仕分けプロンプト
以下の経費内容を、科目別に分類してExcel貼り付け用の表形式で整理してください。
【科目】交際費・旅費交通費・通信費・消耗品費・会議費・その他
【経費一覧】
・5/1 タクシー代 2,400円(営業訪問)
・5/2 スターバックス 1,800円(クライアントとのミーティング)
・5/3 Amazon 文房具 3,200円(ノート・ボールペン)
・5/5 新幹線 東京→大阪 13,620円(出張)
・5/7 居酒屋 12,000円(取引先との懇親会)
(以下続く)
出力は日付・摘要・金額・科目・備考が揃った表形式で返ってきます。これをそのままExcelやGoogleスプレッドシートに貼り付ければ完了です。
科目判断が迷う場合のプロンプト
以下の経費の適切な勘定科目を教えてください。会計上の根拠も簡単に説明してください。
・クライアントへのお歳暮(5,000円)
・社内懇親会の飲食代(1人あたり3,500円)
・業務で使うサブスクリプションツール(月額1,000円)
経費精算規定の社内ChatBotを作る(上級編)
社内の経費精算規定をChatGPTに読み込ませると、「この経費は申請できる?」という質問にAIが答えてくれるような簡易チャットボットを作れます。
以下は弊社の経費精算規定です。この規定をもとに、従業員からの質問に答えてください。
【経費精算規定】
(規定のテキストを貼り付け)
質問:上司との食事代は交際費で申請できますか?
経理担当者への同じ質問が繰り返し来る中小企業では、この方法で問い合わせを大幅に減らせます。
導入効果の目安
従業員25名の建設業の事例です。月末に毎月丸1日かかっていた経費入力作業が、freeeとChatGPTの組み合わせで半日以下に短縮しました。特に出張が多い営業担当者から「出張から帰りながらスマホで完結できる」と好評でした。
まとめ
経費精算のAI化は次の2段階で進めると無理がありません。
- まず:領収書をスマホで撮影→OCRアプリでデータ化する習慣を作る
- 次に:ChatGPTで仕分け・科目判断・申請書の文章作成を自動化する
月末の経費精算地獄から解放されることで、担当者の時間だけでなく精神的な余裕も生まれます。まずは今月の領収書1枚を撮影するところから始めてみてください。

