「有給休暇の申請方法を教えてください」「経費の上限っていくらでしたっけ」「新しい取引先の登録手順は?」——経理・人事・総務担当者に同じ質問が何度も来ていませんか?
この繰り返し質問をAIチャットボットが代わりに答えてくれる仕組みを、中小企業でも比較的簡単に作れます。
繰り返し質問がなぜ問題なのか
同じ質問への対応は、1回あたりの時間は短くても積み重なると大きな工数になります。
- 担当者が作業を中断させられる(集中力が途切れる)
- 質問への回答品質が担当者によってばらつく
- 新入社員・パート社員が質問しにくい雰囲気になると、誤った判断のまま進んでしまう
FAQチャットボットを作ることで、担当者は本来の業務に集中でき、質問した側もすぐに正確な答えが得られます。
どんなツールで作れるか
パターンA:ChatGPTのカスタムGPT(最も手軽)
ChatGPT Plusに含まれる「GPTs」機能を使えば、社内規定・マニュアルのPDFやテキストをアップロードするだけで、それらに基づいて回答するAIを作れます。
費用:ChatGPT Plus(月3,000円)のみ
制限:ChatGPTアカウントを持つ社員のみ利用可能
パターンB:Notion AIとの連携
すでにNotionを使っている企業なら、Notion AI(月1,350円〜)を有効にするだけで、Notion内のドキュメントを参照したQ&Aが使えます。社内Wikiと一体化した形で運用できます。
パターンC:Difyを使った本格チャットボット(無料〜)
Difyというオープンソースのツールを使えば、社内文書を読み込んだRAG(検索拡張生成)ベースのチャットボットを作れます。SlackやLINE WORKSに埋め込むことも可能です。初期設定にある程度の技術知識が必要ですが、無料で始められます。
カスタムGPTで社内FAQを作る手順
Step 1:回答させたい社内文書を準備する
以下のような文書をPDF・テキストファイル形式でまとめます。
- 就業規則・労働条件通知書
- 経費精算規定
- 業務マニュアル(各部門)
- よくある質問と回答集(既存のものがあれば)
Step 2:カスタムGPTを作成する
- ChatGPT Plusにログインし、右上のアイコン→「My GPTs」→「Create a GPT」
- 「Instruction(指示)」に以下を入力:
あなたは〇〇株式会社の社内アシスタントです。
アップロードされた社内文書に基づいて、社員からの質問に日本語で答えてください。
文書に記載のない内容については「その情報は社内文書に記載がありません。担当部署にご確認ください」と答えてください。
回答は簡潔に、必要に応じて箇条書きで整理してください。
- 「Knowledge」に準備した社内文書をアップロード
- 「Share」で社内向けのリンクを発行(組織内でのみ共有)
Step 3:社内に展開する
作成したGPTのリンクをSlackやグループウェアに貼り付けて共有します。使い方を簡単に説明した1枚のマニュアルを添付すると浸透しやすくなります。
実際の事例:繰り返し質問が70%減
従業員35名の製造業(愛知)での事例です。人事・総務担当の2名に毎月80〜100件の問い合わせが来ていました。就業規則・経費規定・製造マニュアルをカスタムGPTに読み込ませて社内展開した結果:
- 繰り返し質問:月100件→30件に減少(70%削減)
- 担当者の対応時間:月20時間→6時間に削減
- 新入社員からの評価:「いつでも気軽に聞けるのがいい」
運用で気をつけること
文書の鮮度管理
就業規則や規定が変わったら、チャットボットに読み込ませる文書も更新してください。古い情報で答え続けると混乱が生じます。
回答できない質問のフォロー
チャットボットが「わかりません」と答えた質問を記録しておき、FAQ文書に追加していくサイクルを作ると、徐々に精度が上がります。
機密情報の取り扱い
給与・人事評価・契約内容などの機密情報は読み込ませないように注意してください。
まとめ
社内FAQのAIチャットボット化は、ChatGPT Plusだけで今すぐ始められます。まず「よく来る質問TOP10」をリストアップして、それに答えられる社内文書を1ファイルにまとめてカスタムGPTに読み込ませてみてください。

