「うちの会社のルールに基づいて答えてほしい」——ChatGPTを使っていると、一般的な知識ではなく「自社の規定・マニュアル」に基づいた答えを欲しくなる場面があります。
実は、社内文書をChatGPTに読み込ませることで、自社仕様の社内AIアシスタントを作れます。
何ができるようになるか
社内規定・マニュアルを読み込ませると、以下のような質問に自社ルールで答えてくれます。
- 「有給休暇の申請は何日前までにすればいいですか?」
- 「出張時の交通費の上限はいくらですか?」
- 「新規顧客の与信審査のフローを教えてください」
- 「このトラブル対応の手順書はどこに保存されていますか?」
- 「製品Aの製造時の品質基準は何を見ればわかりますか?」
方法1:カスタムGPT(最も手軽)
ChatGPT Plusのカスタム機能「GPTs」を使えば、社内文書をアップロードするだけで社内AIアシスタントが作れます。
作り方
- ChatGPT Plusにログイン → 右上のアイコン → 「My GPTs」→「Create」
- 「Instructions」に以下を入力:
あなたは〇〇株式会社の社内アシスタントです。
アップロードされた社内文書(就業規則・経費精算規定・業務マニュアル)に基づいて社員からの質問に答えてください。
文書に記載のない内容については「記載が確認できません。担当部署にご確認ください」と答えてください。
回答は簡潔に、箇条書きを活用してください。
- 「Knowledge」セクションに社内文書(PDF・Word・テキスト)をアップロード
- プライバシー設定を「Only me」または「Only people with a link」に設定
- 社内向けにリンクを共有する
コスト:ChatGPT Plus 月3,000円(チームで使う場合はTeamプラン月4,000円〜)
方法2:Notionとの連携
社内Wiki・マニュアルをNotionで管理している場合、Notion AIを有効化するだけで、Notion内のドキュメントを参照した質問対応が可能になります。
「/Ask AI」でページを開いたまま質問でき、他のページの情報を参照しながら回答が得られます。既にNotionを使っている企業には最も導入コストが低い方法です。
方法3:Dify(本格的な社内AIを作りたい場合)
DifyはオープンソースのAIアプリ開発ツールで、社内文書を大量に読み込んだRAGベースのチャットボットを作れます。SlackやLINE WORKSに埋め込むことも可能です。
- クラウド版:月額無料(一定量まで)〜
- セルフホスト:サーバー費用のみ
- 初期設定に技術者(またはITに詳しい担当者)が必要
どの方法を選ぶか
| 方法 | コスト | 難易度 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| カスタムGPT | 月3,000円〜 | 低 | すぐ試したい・小規模 |
| Notion AI | 月1,350円〜 | 低 | 既にNotionを使用中 |
| Dify | 無料〜 | 中〜高 | カスタマイズ性重視 |
注意事項
機密情報の管理
給与テーブル・個人評価・M&A関連情報などは読み込ませないようにしてください。「AIが答えた」という記録が残りにくいため、情報漏洩リスクの管理が難しくなります。
文書の更新管理
規定が変わった際、AIが参照する文書も更新しないと古い情報で回答し続けます。規定改定のたびにファイルを差し替えるルールを作っておきましょう。
AIの回答を盲信しない
読み込んだ文書の解釈が微妙にずれることがあります。重要な判断(解雇・懲戒・労務トラブル等)はAIの回答だけで動かず、必ず規定原文・専門家に確認してください。
まとめ
社内規定のAI化は、まずカスタムGPTから始めるのが最も手軽です。就業規則・経費精算規定・よくある質問をまとめた1ファイルをアップロードするだけで、社内の「よくある質問」係を自動化できます。

