「経理2名で月末はいつも終電」——こういった声を中小製造業でよく聞きます。売上が増えるほど事務作業も増え、限られた人数では追いつかない。しかしシステム投資の予算もない。そんなジレンマを、月6,000円以下のAIツールで解決した事例があります。
本記事では、経理2名の町工場が月40時間の残業を削減した業務自動化の具体的な手順を解説します。
なぜ経理業務にAIが効くのか
- 繰り返し作業が多い:請求書処理・仕訳・月次集計は型が決まっている
- 入力ミスのリスクが高い:疲弊した状態での手入力はミスを生む→AIは疲れない
- データが揃っている:既存のExcel・会計ソフトのデータをそのまま使える
Step 1:自動化できる作業を棚卸しする
まず「毎月やっている作業リスト」を書き出し、ChatGPTに自動化の可能性を判断させます。
私は中小製造業の経理担当です。
以下の月次作業のうち、AIやツールで自動化できる可能性が高いものを教えてください。
また、各作業の自動化難易度(高・中・低)と、使えるツールの例も添えてください。
【月次作業リスト】
・取引先10社分の請求書を受け取りExcelに転記(月50件)
・銀行入出金データを会計ソフトに手入力
・月次売上レポートをExcelで作成(グラフ含む)
・社員10名の経費精算書を集計
・給与計算(弥生給与を使用)
Step 2:請求書OCRで転記作業をゼロにする
紙・PDF請求書の転記は、OCR+AI読み取りで自動化できます。マネーフォワード クラウド会計や弥生スマート取引取込を使えば、スキャンするだけで会計データに自動反映されます。
- マネーフォワード クラウド会計:月額2,980円〜
- 弥生会計オンライン:月額26,000円/年〜
転記作業50件/月を自動化するだけで、月10〜15時間の削減が見込めます。
Step 3:月次レポートをChatGPTで文章化する
以下は今月の売上データです。先月比・前年同月比を踏まえて、
経営者向けの月次レポートコメント(300字程度)を作成してください。
改善すべき点と、来月の注目ポイントも含めてください。
【今月の数値】
売上:〇〇万円(先月比〇%増、前年比〇%増)
粗利率:〇%(先月〇%)
主要費用:人件費〇万円、材料費〇万円
(以下、データを貼り付け)
実際の効果(愛知・町工場B社の事例)
従業員35名の部品加工会社、経理2名で導入した3ヶ月後の結果です。
- 残業時間:月40時間削減(2名合計)
- 請求書転記ミス:月平均3件 → ゼロ
- 月次レポート作成:4時間 → 45分
- 月額ツールコスト:マネーフォワード 約3,000円 + ChatGPT Plus 3,000円 = 月6,000円
「残業代で考えると、月6,000円の投資で月8万円以上の削減効果があった」と担当者は話しています。
注意点
会計データをそのままChatGPTに貼らない
財務数値は機密情報です。ChatGPTに渡す際は「具体的な社名・取引先名を伏せる」「合計金額のみ渡す」など匿名化のひと手間を忘れずに。ChatGPT Teamプランであれば学習対象外になります。
自動化は段階的に
一気に全作業を自動化しようとすると混乱します。「転記作業だけ」→「レポート作成だけ」と一つずつ定着させてから次に進むのがコツです。
まとめ:まず「毎月やっている作業リスト」を書き出すことから
難しいシステム導入は必要ありません。まず月次作業リストをChatGPTに渡して「自動化できるものを教えて」と聞くだけで、優先順位が見えてきます。
月6,000円のツール投資が、月40時間・人件費換算8万円以上の削減につながる。これが中小企業でもAI活用が現実的になった理由です。

